天ノ図

 天ノ図は、四代朝倉孝景から寄進されたもので、室町時代中期以前の星図として現存唯一の遺品とみられています。
 本図は上段の『歩天歌』と下段の『星図』からなっています。
 『歩天歌』は中国の隋のころ星座を詩歌の形に詠んだもので、本図の歩天歌は晁氏志撰「唐歩天歌」(『玉海』所収)とほぼ一致します。
 『星図』は、331星座と1554個の星からなります。星座の位置は、正確さを欠きますが、星の番号、名称は「格子月進図」(焼失)と、宿度は賀茂在方著「暦林問答集」(1414年)記載とほぼ一致します。